ACT全国ネットワーク規約 ver.6.0

Ⅰ.名称

この組織は、ACT全国ネットワークと称する。

Ⅱ.事務所

この組織は、主たる事務所を千葉県市川市平田3丁目5番1号 特定非営利活動法人地域精神保健福祉機構内に置く。

Ⅲ.哲学・理念

  • わが国において、重い精神障害をもつ人々はさまざまなニーズがあるにもかかわらず、適切な治療や支援を受ける機会がないまま、長期入院や頻回の入院をしているのが現状である。また地域社会で生活している人の数多くは、ひきこもりの状態で孤立している。私たちはACT(包括型地域生活支援プログラム)の実践を通じて、常に彼らに寄り添い、可能性を信じ、長所を最大限に伸ばすような、医療や生活支援、就労支援をふくんだ包括的なコミュニティケアを展開し、彼らの希望に即した充実した地域生活を可能にすることを、活動の第一義とする。
  • これまで精神障害をもつ人々は障害者となることで、権利、自己決定、可能性、人々からの支援などのさまざまなものを失ってきた。さらに精神科病院への長期入院や頻回の入院は、地域であたり前に暮らそうとする人々の社会生活力を奪ってきた。今、単なる脱施設化だけを求めるのではなく、精神障害をもつ人々の権利の確保、地域社会での自己実現、生活の質の向上などが図れるコミュニティケアを実現していかなければならない。また、そのために良質な人材や資金がより一層投入できるシステム作りが必須である。
  • 私たちは、本来精神障害者は地域に生き地域で暮らせる存在であるという揺るぎない価値観・原則に立脚したうえで日本の精神科医療の現状を見据え、ACTの制度化を含むコミュニティケア・システムの創出に関与することを通じて、入院中心から地域生活中心への精神保健医療福祉のパラダイム・シフトに貢献せんとするものである。

Ⅳ.目的

  • 重い精神障害を持った人であっても、地域社会の中で自分らしい生活を実現、維持できるよう、日本における世界標準のACT(Assertive Community Treatment)を実践することを通じ、その普及、定着、質の向上、制度化に努める。
  • ACTの実現に必要な、「その人のありかたを中心に据えた支援」(person-centered service)、「その人の長所、能力に着目した支援」(strength model)、リカバリー(recovery)の概念の理解、超職種チーム(transdisciplinary team)による臨床実践、ケアマネジメントにより行われる包括的な支援、家族支援、就労支援などが確実に行われるよう、活発な研修・コンサルティングを行い、人材を育成する。
  • ACT実践での経験もふまえて、その活動の主体となる人材や事業体の育成に努めることを通じて、その人のありかたを中心に据えた(person-centered)、超職種チームによるアウトリーチサービスを普及し、地域生活中心(community-based)の精神保健医療福祉システムが各地で展開・強化されるよう目指す。

Ⅴ.事業

ACT全国ネットワークでは以下の事業を行うものとする。

1. 研修事業の実施

  • 全国研修会を開催(年1回)する。
  • ACTの技術の普及のための地区研修会を開催する。

2. わが国にふさわしいACT標準版の提示、フィデリティ尺度の開発

  • 世界水準であり、かつ、わが国の実情にあった、ACTの“標準”を作成、普及する責務を当ネットワークは担う。
  • この“標準”基準として、フィデリティ尺度を作成し、ACTプログラムのわが国での目指す方向性を指し示す責務を、当ネットワークは担う。
  • “標準”および“フィデリティ尺度”は随時見直され、それ自体が利用者のリカバリーによりいっそう貢献できるものになるよう、成長する必要がある。

3. わが国におけるACTチームの質の向上のためのモニタリングの実施

  • より利用者のリカバリーに役に立つACTが実施できるように、当ネットワークはACTチームの相互検証の機会を設け、独自のフィデリティ尺度等を用いたモニタリングを実施する。
  • モニタリングは定期的に実施する。
  • モニタリングでは、それぞれのチームのストレングス、この間の成果、今後の課題、課題達成のための具体的な方法などについて、チームとの相互交流の中で明らかにする。
  • モニタリングの結果は公表を原則とし、わが国におけるACTの水準の向上に貢献する。
  • モニタリングに際して必要な旅費などを補填するため、一定の費用徴収を行う。
  • ACTチームの認証は今後の課題とし、当面は相互検証によるわれわれのサービスの質の向上をその目標とする。

4. ACTおよび地域生活中心の精神保健医療福祉システムづくりに関する研究活動・情報交換

  • ACTを立ち上げようとしている事業体には積極的に支援を行い、質の高いACTの実施の実現に努める。
  • その他、本ネットワークのミッションを達成するために必要な広報等の事業を行う。

Ⅵ.組織体制

1.事務局

当面、特定非営利活動法人地域精神保健福祉機構(コンボ)ACT-IPSセンター(所在地:千葉県市川市平田3丁目5番1号 トノックスビル2F)内におく。

2.常任幹事会

常任幹事会は以下のものによって構成される。

役員

  • 代表幹事
  • 副代表幹事
  • 事務局長
  • ニューズレター担当
  • ホームページ担当
  • ACT標準版・フィデリティ評価尺度作成担当
  • フィデリティ・モニタリング担当
  • ACT立ち上げ支援/コンサルティング担当
  • 地域精神医療システム検討担当

認証ACT団体会員チーム代表

  • 認証ACT団体会員チーム代表は役員を兼任することができる。
  • 幹事の幹事会への参加にあたっては当会から旅費を支給することが出来る。
  • 代表幹事、副代表幹事、事務局長以外の役員は、毎年常任幹事会の承認を得て決定する。ただし更新を妨げない。

3.会員

【正会員】

以下の条件を満たした者は、本会の正会員とする。

  • ACTや地域生活中心の精神保健医療福祉における臨床実践や研究、システム作りに関心を持ち、本ネットワークの目的に賛同し、会費を納めたもの。
  • 精神保健医療福祉の専門家、当事者、家族を問わない。
  • 会員は会員専用ホームページの利用、ニューズレターの購読、全国研修会等の参加費割引を受けることが出来る。

 

4.団体会員

当ネットワークには、「一般団体会員」 「准ACT団体会員」 「認証ACT団体会員」をおく。

団体会員となったチームに属する個人は、別途個人会員として登録し、会費を納めなくてはならない。

□一般団体会員

  • 定義:当ネットワークの哲学・理念、目的に賛同し、臨床活動を実践しているチーム。具体的には、精神科多職種アウトリーチチーム、精神科訪問看護、訪問型生活訓練などが含まれる。
  • 一般団体会員の成立:一般団体会員を希望するチームは、書式に従って、事務局に申し込む。事務局は、直近の幹事会に諮り、承認を得る。承認を得た時点から一般団体会員の資格を得る。
  • 権利:
    • 一般団体会員は、当ネットワークが定める団体会員限定の研修会に参加することが出来る。
    • 一般団体会員は、地域における研修会を開催するに当たり、企画・広報等に関して当ネットワークの支援を受けることが出来る。
  • 会費:
    • 一般団体会員は、承認された会計年度より、年間20,000円の一般団体会員費を納めなくてはならない。
    • 一般団体会員のチームに属する個人会員の会費は、1,000円減額することが出来る。
    • 一般団体会員が、フィデリティ調査を受けようとする場合は、調査費用として30,000円を納めなくてはならない。
  • 准ACT団体会員への昇格:
    • チームが准ACT団体会員の条件を満たした場合には、「准ACT団体会員」になる旨、事務局に申し込むことができる。事務局は、幹事会の承認を得て、准ACT団体会員としての手続きを行う。

□准ACT団体会員

  • 定義:当ネットワークの哲学・理念、目的に賛同し、世界標準のACTの実践の実現を念頭に臨床活動を実施しているチーム。または、それに準じるもの。
  • 条件:以下の「ACTとしての必要条件」の8項目のうち、最低5項目を満たすこと
  1. 明文化された、チームの哲学・ミッションがある
    「リカバリー概念に基づいた支援」であること、「利用者のニーズを大切にする支援」であることが盛り込まれた、明文化した理念を持つ
  1. 明確な加入基準がある
    重症の精神障害者のみを対象としている
  1. 明確なキャッチメントエリアがある
  2. オフィスが地域の中にある
    ACTオフィスが病院の敷地内ではなく、地域の中にある
  1. 24時間365日体制を敷いている
    夜間休日の電話対応を含め、訪問するスタッフが24時間切れ目なくサービスを提供している
  1. ストレングスモデルに基づいたケースマネジメントを実施しており、6割以上のケースで過去1年の間にストレングス・アセスメントの実施、リカバリー・プランの作成、週1回程度のグループスーパービジョンが実践の基本に用いられている
  2. 研修を受ける体制が整っている
    1年に1回以上、80%以上の臨床家が外部のあるいは外部講師を招聘してのACTに関連する研修に参加している
  1. 超職種チーム

チームに最低限常勤かつ専従の、看護師、作業療法士、精神保健福祉士が各1名以上いる

  • 准ACT団体会員の成立:准ACT団体会員の条件はホームページに掲載する。該当するチームは、書式に従って、事務局に申し込む。事務局は、直近の幹事会に諮り、承認を得る。承認を得た時点から、准ACT団体会員の資格を得る。
  • 権利・義務:
    • 准ACT団体会員は、当ネットワークが定める、団体会員限定の研修会に参加することが出来る。
    • 准ACT団体会員は、地域における研修会を開催するに当たり、企画・広報等に関して当ネットワークの支援を受けることが出来る。
    • 准ACT団体会員は、当ネットワークによるフィデリティ調査を受けなくてはならない。
    • 准ACT団体会員は、毎年のフィデリティ調査に調査員を1名以上派遣し、評価に協力しなくてはならない。
  • 会費:
    • 准ACT団体会員は、承認された会計年度より、年間50,000円の准ACT団体会員費を納めなくてはならない。
    • 准ACT団体会員のチームに属する個人会員の会費は、1,000円減額することが出来る。
  • 認証ACT団体会員への昇格:
    • チームが成熟し、「ACTとしての必要条件」 8項目をすべて満たし、かつ、フィデリティ調査において、総合評価3.8点以上を得た場合には、「認証ACT団体会員」になる旨、事務局に申告することが出来る。事務局は、幹事会の承認を得て、認証ACT団体会員としての手続きを行う。
  • 准ACT団体会員の資格の失効:
    • チーム運営になんらかの支障が生じ、准ACT団体会員の条件を満たすことが出来なくなった場合は、当該チームは、速やかに事務局に報告しなくてはならない。幹事会は、事務局からの報告を受け、今後のチーム運営について検討・助言を行う。検討の末、1年以内の改善が見込めないと判断される場合は、当該チームは准ACT団体会員としての資格を失う。1年以内の改善が見込めると判断された場合は、保留とし、1年後に再検討を行う。

☆この点数は現時点での暫定的な点数であり、今後研究成果を待って変更する可能性がある。

□認証ACT団体会員

  • 定義:当ネットワークの哲学・理念、目的に賛同し、世界標準のACTの実践を臨床活動として実施しているチーム。
  • 条件:「ACTとしての必要条件」の8項目をすべて満たし、かつ、フィデリティ調査において総合評価3.8点以上を得たもの。
  • 認証ACT団体会員の成立:認証ACT団体会員の条件は当ネットワークのホームページに掲載する。該当するチームは、書式に従って、事務局に申し込む。事務局は、直近の幹事会に諮り、承認を得る。承認を得た時点から認証ACT団体会員の資格を得る。
  • 権利・義務:
    • 認証ACT団体会員は、当ネットワークが定める、団体会員限定の研修会に参加することが出来る。
    • 認証ACT団体会員は、2年に1回、フィデリティ調査を受けなくてはならない。
    • 認証ACT団体会員は、毎年のフィデリティ調査に調査員を最低1名以上派遣し、評価に協力しなくてはならない。
    • 認証ACT団体会員は、幹事会にチームを派遣し、議論に参加協力しなくてはならない。
    • 認証ACT団体会員は、地域における研修会を開催するに当たり、企画・広報等に関して当ネットワークの支援を受けることが出来る。
  • 会費:
    • 認証ACT団体会員は、承認された会計年度より、年間50,000円の認証ACT団体会員費を納めなくてはならない。
    • 認証ACT団体会員のチームに属する個人会員の会費は、1,000円減額することが出来る。
  • 認証ACT団体会員の資格の失効:
    • チーム運営になんらかの支障が生じ、認証ACT団体会員の条件を満たすことが出来なくなり、または、フィデリティ調査において、総合評価3.8点未満になった場合は、当該チームは、速やかに事務局に報告しなくてはならない。幹事会は、事務局からの報告を受け、今後のチーム運営について検討・助言を行う。検討の末、1年以内の改善が見込めないと判断される場合は、当該チームは認証ACT団体会員としての資格を失う。1年以内の改善が見込めると判断された場合は、保留として、1年後に再検討を行う。

5.会計監事

  • 常任幹事会は会計監事2名を任命する。
  • 会計監事は会計を監査する。

Ⅶ.会計

1. 会計年度

  • 会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終了する。

2. 会費

  • 正会員は会費として年額4,000円を納めなくてはならない。
  • 団体会員は、会員種別に応じて以下のように会費を納めなくてはならない。
    • 一般団体会員:年額20,000円
    • 准ACT団体会員:年額50,000円
    • 認証ACT団体会員:年額50,000円

付則

付則1(退会規定)

  • 正会員が会費を3年以上滞納し、継続の意思が確認できない場合は、退会扱いとすることが出来る。

付則2

  • 本会則は平成27年4月1日より施行する。